平成19年度 大学・学校づくり研究科講演会

「評価と経営」時代の新しい学校・大学づくり

小松郁夫氏
国立教育政策研究所 教育政策・評価研究部長

平成19年12月22日


 本講演では、講演者が関わってきた様々な経験を紹介しながら、評価と経営に注目した学校・大学づくりについて論じながら、大学・学校づくり研究科への期待について話してみたい。

 これからの教育行政は、入り口の段階で細かい法律を作るやり方ではなく、とりあえず最低限のルールを作った上で、状況に合わせてどう経営していくかという方へ転換していく必要がある。今後は、問題そのものが複雑になっており、問題を発見し解決する力が求められる。そうした人材を育成する必要があり、そうした人材育成に投資できる国・組織が、成長していくと考えられる。

 組織が、学校内の問題に取り組む際には、さまざまな要因を考慮して対応している。ある意味当然のことであるが、これを複雑系の組織論としてとらえて、より研究が進められることを期待したい。組織論の点からは、学校の特殊性を考慮したリーダーシップ論を展開する必要があるとも考えている。

 次に、生き残れる大学・勝ち残れる大学について考えてみたい。まず、大学の財務面の改革が必要と考えられるが、これを支援する大学財務の研究者が少ない。こうした分野の研究の充実がより進められるべきだ。また、大学の広報活動も大きな改革が必要である。大学では、未だに待っていれば客が来るという意識があるようだ。近年、こうした分野に力を入れる大学は増えているが、より充実が進められるべきだ。

 学校評価は、学校自身が改革を進め、関係者との連携を強化するために行うものである。また、評価は学校評価、学校関係者評価、第三者評価の3つのやり方があり、学校の自己評価に基づいて各ステークホルダを交えた学校関係者評価を進めていく必要があろう。その過程で、関係者にアンケートなどを実施することが多いようだが、アンケート結果は評価に活かしてこそ意味がある。

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