大学・学校づくり研究科 第4回定例研究会

「名城大学生の学習活動に関するフィールド調査研究」

安藤 喜代美 氏
 浦 雪 氏
 二宮 加代子 氏

平成20年12月13日



 本報告では、研究科で開講されているフィールド調査の授業で行ってきた、学生による質的研究のプロジェクトをまとめたものである。この中から、2つの研究について報告する。

 はじめに、授業時間内における学生の集中力について報告する。本取り組みは、参与観察によって実際の授業を分析したものである。大学1年次は高校生から大学生へとなった転換点であり、90分の授業にどの程度集中しているかを調査した。その際、選択する座席による集中力の違い、集中力が持続する授業要因について明らかにすることを目的とした。

 分析対象授業は、1年次前期、15時頃から16時半ころに開講されている、出席者数約190名の社会学の授業である。この授業は、(1)特定の学部を対象としていない、(2)出席を重視している、(3)教室ルールがあるという特徴がある。

 調査の結果、集中力の持続時間は、45〜50分ほどで、その時点でとぎれる学生が多い。また、授業を受ける前の態度が重要であり、意欲の高い学生が前方の座席に着席する。そのため、座席の位置が集中力を左右するのではなく、集中する傾向のある学生が前方の座席を選択すると解釈すべきである。また、教員は授業中に全員の名前を呼ぶ、学習習慣の形成に向けて、こまめに宿題を課してその成果をチェックするなどの配慮を行っており、これが集中力の向上に寄与しているようである。

 次に、名城大学の英語学習の現状について報告する。本取り組みは、インタビュー調査によって、2名の学生の英語学習の現状を明らかにする。インタビューの受け手は、英語が好きな学生と嫌いな学生を1名ずつ選んだ。名城大学では、楽読クラブという英語の多読を行うコミュニティーがあり、これに参加していく学生を調査対象としている。

 インタビューでは、(1)学生が英語の学習についてどのようなことを考えているか、(2)楽読クラブに入った学生が自分の英語学習意欲がどのように変化したかを明らかにする。インタビューでは、英語学習の現状、楽読クラブの参加動機、英語学習の目的、教員の指導方法、英語学習の改善意見という観点から学生の意見を聞き取った。学生は、英語の能力が外国人との基本的なコミュニケーション能力を身につけたいと考えていること、日本の英語教育では実践的な英語力がつかないと考えていることがわかった。また、学校での英語教育自体は重要と考えているが、授業形態や教育方法に関して改善を望んでいる。楽読クラブは、英語の授業だけでは学べない語彙や表現を学べる点で、学習意欲を向上させているようである。

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