大学・学校づくり研究科 第8回定例研究会

「子ども達と共にある学校事務の実現」

坂見 省二 氏

平成21年6月20日



  本報告では、子どもたちと共にある学校事務の実現について考えたい。そのきっかけになったのは、平成10年9月に出された中公審答申「今後の地方教育行政のあり方」において、学校事務・業務の効率化が示されたことである。しかし、これは、学校事務職員の仕事だけが、学校の事務ではないということの理解が不十分のままだされた施策である。

 この背景には、これまで、学校は学校経営という視点がないという問題がある。学校事務職員の役割は、学校経営を支える職員としての役割であり、学校事務職員の資質開発が必要となった。東海市では、平成11年から学校事務研究会のテーマとして、学校経営を担える事務職員の育成に取り組んでいる。その過程で、東海市で必要な職の指定や、教育委員会・校長会との連携を通じた要項や手引きの作成を進めてきた。また、事務処理を正確にするための事務手引きの作成、毎週、2週間後の事務予定表を掲載したメールの送信などにより、正確な業務遂行を支援してきた。

 こうした取り組みを経て、平成18年からは新規採用の事務職員に新任研修を、平成19年からは東海市学校事務フォーラムを開催している。このフォーラムでは、学校事務とは具体的に何を指すのか、若手職員をどう育成するのかなどについて考える機会としている。

 学校は、指導部門を教員が責任を負って行っているが、指導部門だけで教えることが成り立っているわけではない。この指導部門を支える部門全体を、事務職員が担うべきである。学校事務職員は、学校の目標・目的を理解して学校を動かす者であり、給与や含むなどの仕事をするだけではない。その具体的な方策として、教務・校務・事務という従来の枠にとらわれず、指導部・管理部というわかりやすい学校運営体制を作ることが必要である。

 これまでの手引き作成などの取り組みは、事務処理の効率化・合理化をめざしてきたものでもある。この効率化の真のねらいは、机に向かう時間を減らし、学校の中を歩き、授業を眺めることで、子どもたちの様子を確認し、必要な対策を講ずるためにある。これは、究極的には事務自体は外注化し、学校事務職は学校経営に特化することにつながるかもしれない。学校事務改革に取り組むには、事務職員としての職務を当たり前に行った上で、管理職や教員との協働を通じて人を育てる仕事をすることであると言えよう。

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