大学・学校づくり研究科 第23回定例研究会

「名城大学附属高等学校におけるキャリア教育の現状と課題」

中西 孝徳 氏
(名城大学附属高等学校)

平成22年12月18日


 本報告では、名城大学の犬山サミットにおいて提示した高校段階におけるキャリア教育について考える。結論から言えば、キャリア教育を意識した取り組みは行っていないが、枠組みの考え方によってはキャリア教育に位置づくものが多数あり、これらをどう整理し体系化するかが重要と考えている。附属高校では、1/3強の生徒が名城大学へ進学しているが、そのうち6割は理系への進学である。これは、かつて6割が文系であったことを考えると、大きな変化といえる。

 学習指導要領では、キャリア教育を「一人一人の社会的・職業的自立に向け、必要な基盤となる能力や態度を育成することを通じて、キャリア発達を促す教育」と定義している。附属高校では、SSHの中でサロン的学習(講義、議論、意見、発表の組み合わせ)や筑波ツアーを、普通科の中ではホームルームや総合的な学習時間の中で業者による説明会をし、文理選択後は学部説明会等を通じて取り組んでいる。特進クラスでは、安心感から習慣の改善の取り組みへと称して、文理の適性を明確にするための積極的な仕掛けとして総合的な学習とホームルームの時間を活用している。具体的には、スタディサポートという基礎学力テスト・学習習慣把握という業者テストをベースに、卒業生の前例、学部講師による特進生の過ごし方などを学ぶ。その結果、欠席や遅刻は目に見えて減少する一方、学力や学習習慣指標では大きく伸びる結果となった。国際クラスでは、クエストエデュケーションと呼ばれる現実社会から生きる力を学ぶ学習プログラムを実施し、教室で幅広い体験ができる取り組みを進めている。この中で生徒たちは校内選抜を経て企業や地域施設でのインターンシップやプレゼンテーションの機会が得られる。普通科では、産業社会と人間という科目の中で、自己理解、職業理解、進路選択、社会理解、企業見学などに取り組んでいる。これら以外にも、現在7割程の生徒が参加する部活動やエコ活動でも幅広い社会人基礎力が養われると考えられる。

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